バリューゴルフグループのバーチャル組織「AI活用研究所」として発足しました。
当研究所の取り組みは、既存のデータ分析ツールや機械学習アルゴリズムなどを活用して、具体的なビジネス課題にアプローチします。これにより、業界のニーズに応じたソリューションを提供し、持続可能な発展を目指しています。
ゴルフ場運営の課題に向けて
維持管理費の低減
ゴルフ場や施設の維持管理には多額の費用がかかります。特に近年では、水道光熱費の高騰、環境保護規制の強化、施設の老朽化対策、コース維持のための専門技術と人件費の問題が深刻となっています。
【AI研究課題】
各ゴルフ場の状況に応じ、維持コストの低減に役立つ最適な解を導くために、LLM(大規模言語モデル)を利用し、RAG(検索拡張生成)向けのデータ収集とベクトルデータベース構築を研究しています。
学習データとして、バリューゴルフ社のスタッフが日々ゴルフ場を訪問して得られるデータや、110万人以上の個人会員の予約情報がベクトルデータとして活用されます。さらに、季節変動要素やゴルフ場周辺のイベント、予約状況、天気予報などのライブデータを使用することで、利用者の予測需要の精度を高め、パートタイム社員のシフト計画等の自動生成を目指します。 将来的には、IoTセンサーやエッジAIカメラ、ドローンを活用し、設備や芝の状態監視、肥料や農薬散布計画の生成、無人自動芝刈機の自律運転の研究も進めていく予定です。
利用率や予約数の増加対策
少子高齢化が進む中、ゴルフ場への主な移動手段である自家用車保有率の低下や、プレー時間やプレーコストに関して若者層・中堅層の価値観とのギャップがあるため、ゴルフ場の利用者が減少すると予想されています。
【AI研究課題】
各ゴルフ場の魅力を発信することを第一の研究対象としています。WebサイトにおけるAIチャットボットは多言語対応が可能で、周辺観光や宿泊施設の案内、ゴルフ場のローカルルールやイベント情報の提供により、コース予約の確度を高めます。SNS発信も新しいゴルフユーザーの増加に役立ちますが、魅力的なコンテンツの継続発信は困難です。当研究所では、ゴルフ場周辺の地域情報やSNSデータの相関分析を行い、新たなゴルフユーザーの発掘やデジタルマーケティングのためのコンテンツ生成やAIエージェント機能の実装を研究課題としています。
登録会員への新たな価値提案
バリューゴルフグループ社内には、110万人以上の会員予約情報、ECサイトでの購買履歴、ゴルフ旅行の予約履歴など、さまざまなデータが蓄積されています。
これに加え、SNSやLLMの一般情報を活用し、新たなユーザー発掘やクロスマーケティングのヒントを見つけ出し、会員様へ新たなレジャーやライフスタイルの提案を行うことが可能になります。
また、グループ各社の経営効率化に向けて、データドリブンでの事業企画やサービス企画を行い、経営のヒントとなるマイニング結果をAI学習モデルを通じて提供する研究も進めています。
Proof of Technology (技術実証)
エッジAIカメラによる行動予測
デジタル化された社会では、多くのデータがクラウドに転送され分析に利用されますが、大量なデータはクラウドの利用コストを増大させます。IoT構成でのエッジサイドで必要なデータを抽出・フィルタリングができれば、コストダウンが期待できます。
当社では、以前よりコンピュータービジョンに関する開発を行っており、とくにエッジAI・AIカメラを活用した、映像内の人物等を物体検出と意味解釈を行う開発を行ってきました。
リアルタイムでの物体検出や意味解釈が可能なAIカメラは、即時に簡易なアラートを通知することが可能です。 また、エッジAIを多数採用したIoTシステムでは、各AIで推測した結果をクラウドに転送することで、クラウドに転送するデータ量を小さくできるため、コスト削減とリアルタイム分析の高速化に寄与します。
将来ビジネスのために
デジタル化された社会では、安全性を高めた取引や個人情報の保護が重要課題となり、DAO(分散型自立組織)やNFT(非代替性トークン)などのブロックチェーン技術が有用ですが、それらの適切な取扱い方や可視化を行うためのAIの活用も期待されています。また、メタバースが本格普及するためには、NPCやアバターの自律行動をAIが担うことも必要となり、現実世界と同様の自然なインタラクションが実現できることが期待されます。
当社では、すぐそこまで来ている次のAI活用に関する研究に取り組んでいます。